ばななさんの本の「ハチ公の最後の恋人」の中にこんな言葉があります。

“嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいいのよ。”

人と話している時に時々耳にする“あの人って面倒くさい”という話。
そういう話を聞くと、私は少しだけ寂しい気持ちになる時があります。
勿論、私もそういう事を思う事もありますし、その気持ちを否定するわけではないのです。
(“面倒くさい”という言葉を使う時、ニュアンスの違いで印象は大分変わってくると思うので、
例えば、その中に愛着のようなものが感じられると、逆にとても温かい気持ちになる事もあります。)

多分、人(付き合い)なんて、本来みんな面倒くさいものだと私は思っています。
それをどのタイミングで表に出すかで、空気の読める人、読めない人と分けられてしまうのかもしれません。
皆、生きていれば色々あるのが当たり前で、何もない人なんている訳ないのです。

大事なのは、その面倒くさい事を誰と向き合い付き合っていきたいか、という所なのではないかと思うのです。
人一人理解しようとするのにも、相当なエネルギーが必要です。
だから恋愛なんかは本気でぶつかればぶつかる程、終わった時に疲れるものなのかもしれませんね。
でも、きっと受けているエネルギーもあるはずです。それを自覚して、上手く消化出来れば、
意外とスムーズに循環していくものなのかもしれません。

何処かの小説にこんな内容がありました。

“面倒くさい事を面倒くさく思わなくなった時に、本当のあなたらしさが出る”

小説の名前も忘れてしまい、もしかして携帯小説だったかもしれませんが、心に残る言葉でした。
携帯小説というジャンルについて、私は結構面白いなと思っています。(詳しいわけではないけれど)
いい文章というのは、必ずしも著名な作家が書いた本の中にだけあるとは限りません。
内容や表現が稚拙でも、その人の等身大の言葉で書かれた文章というものに力は宿り、
人は共感し、惹かれるのだと思います。
私は、そう最初の大学の恩師に教わり、励まされてきました。

と、話はそれましたが、ここまで来ると、私が結構な面倒くさい人間である事はもう充分に
伝えられたかな、と思います(笑)