こういう感じの本は、加藤先生の『何でも僕に訊いてくれ―きつい時代を生きるための56の問答』以来でした。

読んでいて救われる、という所もあるのだけれど、
どちらかと言うと、エッセイみたいに書き手の事が知れる本なのだという事です。
つまり、「ああ、救われたな〜」という思いよりも、「よしもとさんやっぱりいいなぁ〜」
という感想が強い感じがします。しかし、よしもとさんの言葉は、すーっといつも入ってきます。

以前、卒論のテーマで書いていた内容を思い出します。
下記、一部抜粋。

自分の事を知ってもらうのには、自分の事を「私はこういう人間だ」と語るより、時に何かについて語った方が、相手に伝わるという事がある。例えば、ある人が「私はつよがりである」と言ったとする。しかし、果たしてそれだけでその人が本当につよがりという事が分かるだろうか。実感を得られるだろうか。

その人が本当につよがりかどうかという事は、行動や言動、思想など、そういう些細なものから得る情報である。そのように、人はコミュニケーションを交わしながら、自然と相手の性格や人間性を感じ取る。その中でも、人が好きなものを語る時、その人を知る上で、それらはとても重要な情報となって来る。・・・(略)

私は、基本的に相手が「自分はこういう人間だ」と言うような内容は半信半疑で
聞いている事が多いです。それは、私自身が自分の事を「こういう人間です」と
いう時は、大概嘘っぱちな事が多いからです。嘘というのは大袈裟かもしれませんが。
そういう事を話す時って、場の空気であったり、気を使ったりして出る言葉が
あったりするので、結構曖昧だったりする事があるからです。

でも、本当に自分の事を見てくれている人っていうのは、ちゃんと分かってくれていると
思いますし、限られた人にはなりますが、でもそれで充分なのだと思うのです。

言葉を鵜呑みにするより、その言葉が出た真意を掴めたら、その人をより深く知れるのではないかと
思います。まぁ、当たり前の事なのかもしれませんが(笑)